1万円でだれでも起業家??「1万円起業」
終身雇用制が崩壊したと言われる今、起業独立を促す本がたくさん書店に並んでいます。
そんななかでも本書は累計10万部まで増刷されたヒット本です。
書評をするには少し出遅れた感もありますが紹介します。
本書の著者はクリスギボレー氏。
講談社から発刊されている「常識からはみ出す生き方」の著者でもあります。
この「常識からはみだす生き方」は、ノマド生活にも言及した本で、とても読み応えのある本でした。
この著者の文章は著者がそのまま読者に語りかけてくるような書き方で、さらっと読むことができ、とても気に入っています。
本書は、1万円(原書では100ドル)程度の少ない元手でいくらでも起業は可能であるということが、事例とともに紹介されています。
以下本書のポイントを紹介していきます。
1 自分が情熱を持てることと他人が興味あることの共通部分を探す
1万円起業では、自分が好きで情熱を持てることと、他人が興味あることの共通部分を事業の内容にします。
自分が好きな事なら続けるのが苦になりません。
また他人が興味あること、ならお客さんになってくれる人が表れます。
両者に共通する部分が重要です。
2 お客様は魚の取り方を知りたいと思っていない
よく「魚を与えるのではなく、魚の取り方を教えろ」といわれることがあります。
生き抜く力を養うという意味では正しいと思いますが、お客様はそのように考えておらず、手っ取り早く魚が欲しいと思っているのです。
そのため起業をする場合、その商品の内容は、お客様の不満やニーズを手っ取り早く直接満たす必要があります。
3 趣味そのものでは利益が得られにくい
小規模ビジネスでは趣味を仕事にすると良い、と言われます。
しかし著者はそれでは利益は得られにくいといいます。
そうではなく、誰かの趣味の手助けをすること、や趣味と間接的に結びつくこと、が利益につながるといいます。
これは小規模ビジネスを始める人にとって大きな盲点となるところだと思います。
4 「大きな変化につながる小さな修正」(ツイーク)が売上を増大させる
ビジネスをたちあげたら、さらに成長させ売上を増加させることが重要です。
その際重要なのは、大きな変化につながる小さな修正(ツイーク)であると、筆者は説きます。
例えば、ウェブサイトのレイアウトをすこし修正する。
サービスを少しだけ改良する。
そのような小さな改善が、大きな売上増加につながります。
5 夢を追うのに誰かの許可はいらない
人は起業をするときついついだれかのアドバイスを求め、無意識に誰かから起業してもよい、という許可をもらっています。
しかし、なにかをするのに誰かから許可を得る必要はありません。
許可が欲しいと思っている人は、失敗した責任を誰かのせいにしたいと思っている人です。
多くの人が独立起業できないのは、このような心理があるからだと思います。
以上見てきましたが、これから少しでも独立起業を考えている人にはオススメの本です。
翻訳ビジネス書って本当におもしろいですね〜
オススメ度★5つ満点中
★★★★
読みやすさ★5つ満点中
★★★★★
印象にのこったフレーズ要約
「たとえ善意ある友人からのものであってもアドバイスを無視すること」
「アドバイスと許可を混同してはいけない」
「大事なのは行動し続けること。1日30分事業を少し改善する時間をとること」
「ハブとスポークの思考を身につける」
「賛成派と反対派がいる産業や流行はビジネスになる」
「興味を持つ人はたくさんいるが、日常でそれを実行するのは大変だということもビジネスになる」
「だれでもコンサルタントになれるテンプレート」
実践したい3つのポイント
- 自分の情熱と他人の興味の共通する分野を見つける
- 毎日30分事業を改善する時間をつくる
- 無料もしくは安価なツールをつかってやってみたいことをまずやってみる