翻訳ビジネス書専門書評家の読書感想文

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あなたはそんなに賢くありません!「思考のトラップ」

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本書は人はそんなに賢くない、ということを教えてくれる一冊です。

 

人は、「少なくとも自分は周りの人よりは頭で考えて行動できる」と思っています。

 

しかし、本当は私達が自分で決めていることなんてほとんどないのかもしれません、そんな衝撃の事実を教えてくれる本です。

 

 

思考のトラップ 脳があなたをダマす48のやり方

思考のトラップ 脳があなたをダマす48のやり方

 

1 人が本を買うのは新しい知識を得るためではない

 

「そんなことは絶対にない!」と思うかもしれません。

 

しかしながら本書で紹介されている研究によれば、人は自分の意見や考え方に合致した本だけを購入し、反対意見の本は買おうとしません。

 

つまり人は新しいが、自分の意見と異なる見解の本は買おうとしないのです。

 

これは以外ですが、自分の身に置き換えれば確かにそうです。

 

私は自己啓発書が好きですが、自己啓発書を批判するような本は買ってまで読むことはしません。

 

たくさん本を読んで賢くなっているような気分になっていますが、本当に気分にすぎないのかもしれません。

 

2 心は外部の人にはほとんど伝わっていない

例えば大勢の人の前で自己紹介しなければならないとき、多くの人は緊張します。

 

しかし、緊張しているかどうかという心の状態は、ほとんど周りの人に伝わりません。

 

あなたも自己紹介で「緊張しています」という人が、ちっとも緊張しているように見えないという経験をしたことがあると思います。

 

恥ずかしかったり、焦っていたり、不安だったり、という感情は外部の人にはほとんど伝わっていないと考えていいのです。

 

これは生きる上でとても価値のある情報です。

 

なぜかというと、はったりがきく、ということがわかるからです。

 

つまり内心で焦っていても堂々としていれば、周りの人は、「この人は堂々としている」という印象を受けることがわかるのです。

 

多くの人はこれを知るだけで、自信をもって物事に当たることができると思います。

 

3 中身よりも見せ方が重要である

本書では、ワイン学を専攻する学生が高級ワインとそうでないワインを味だけでは見抜けなかった調査事例が紹介されています。

 

他にもいろいろな事例が紹介されていますが、共通するのは人は中身では味の区別ができず、外見で区別をしているということです。

 

多くの人は、中身や本質が重要で形式的な部分や表面的な部分に価値はないと考えがちです。

 

しかしこれは誤りです。

 

人は見た目が9割、ということばも有りますが、外見もとても重要な要素であることを理解する必要があります。

 

4 まとめ

本書は、我々が信じている心理学や思考に対する思い込みを打ち破ってくれる一冊です。

 

分厚い本ですが事例もおもしろくすぐに読破できてしまいます。

 

心理学が好きな人にはオススメの一冊です。

 

翻訳ビジネス書って本当におもしろいですね〜

 

 

オススメ度★5つ満点中

★★★

 

読みやすさ★5つ満点中

★★★★

印象にのこったフレーズ要約

失敗の条件をつくっておくことにかけては人の創意工夫の能力は大したものだ。これで成功すればあんな悪条件にもかかわらず成功したと言える。また力が及ばなくても、失敗につながった条件の整備できる

 

ようするに、これまでの分析を分析してわかったのは、自分は大多数の人とは違うと大多数の人が思っているということだった。

 

人は物事を統計ではなく実例で考え、ストーリーで考える。 

 

評論家や解説者の場合と同じく、人が本を買うのは情報のためではなく、確証を得るためなのだ。

 

 

 

 

  実践したい3つのポイント

  1. 緊張した場面を思い出す
  2. その心の状態を知っていた他人がいたかどうか考える
  3. 自分が信じている危険なストーリーを統計と照らし合わせる

 

思考のトラップ 脳があなたをダマす48のやり方

思考のトラップ 脳があなたをダマす48のやり方