専業主婦2.0!!「ハウスワイフ2.0」
現在アメリカでは、新しい専業主婦が増えているということです。
女性として男性に負けないようにバリバリ仕事をしてキャリアを積み上げる道を放棄して、専業主婦を選ぶ人たちです。
なぜそのような動きがあるのでしょうか?またそれにより何が変わるのでしょうか?
1 企業社会への憧れがない
専業主婦2.0の親世代は、「女性も男性と同じように会社で活躍できる」と考えている世代です。
しかし、現実に女性が会社で活躍するのは簡単なことではありません。
アメリカでは他国と比較して制度上働く女性に対する充分なサポートがありません。
また女性が出世することも簡単ではありません。
そのような環境で働き続け、疲弊していく母親の姿を専業主婦2.0世代は見ています。
その反動として彼女たちは会社でキャリアを積み上げることの魅力を感じておらず、専業主婦という選択をするようです。
2 選択的に会社を離脱する
彼女たちは、会社での待遇の悪さや仕事への幻滅の気持ちからやむなく専業主婦を選んでいるのではありません。
むしろ、自分の意思で専業主婦になるという道を選択しているのです。
子供にきちんとした食事を手作りしてあげたい、自分のすきな手仕事をする時間をつくりたい、そういった気持から専業主婦の道をえらびます。
3 ブログで世間とつながる
専業主婦というと一日中自宅にいて社会とのかかわりがない、というイメージです。
しかし専業主婦2.0は違います。
彼女たちは主にブログをとおして世間とつながっています。
作った食事、手編みのセーター、手芸品、そういったものをブログにアップすることで、自宅にいながらにして多くの人とつながっています。
4 年収が少なくても幸せである
彼女たちの多くは、結果として仕事をしている人たちよりは低収入になります。
しかし彼女たちは、仕事をしている人より幸せを感じています。
それは毎日の生活を楽しむ時間があるからでしょう。
また、食事や子供の教育など多くのことに自分が直接関与し、コントロールすることができています。
それが幸福感をもたらしています。
以上まとめてみました。
専業主婦というと、なんとなく先進国アメリカでは古くて敬遠されがちな存在かなというイメージがありました。
しかし本書で紹介されているように、それがひとつの流行スタイルになりつつあるということに驚きを感じます。
まさに歴史は繰り返す、ということですね。
新しい専業主婦に興味があるだけではなく、いまの社会の主流な価値観に疑問を感じている人にはとってもオススメな一冊です。
翻訳ビジネス書って本当におもしろいですね〜
オススメ度★5つ満点中
★★★★★
読みやすさ★5つ満点中
★★★★
印象にのこったフレーズ要約
「先進国の中でアメリカは有給休暇が保障されていない唯一の国である」
「仕事をもつ女性の85%が育児に専念したいと考えている」
「これからは組織の外でも中でも働ける職人が必要である」
「誰もが料理にこだわりを持たなければいけないかのような現代の風潮はいきすぎである」
「人はだれだって食べていかなければ生きていけない。だから男性も料理をすべきである」
「ハウスワイフ2.0はほぼ全員大学卒で中流階級以上である」
実践したい3つのポイント
- 会社は自分の人生を良くしてくれるかどうか考える
- 仕事以外に自分が価値を置くものを3つ考える
- もし自分に仕事がなくなったら何をして生活するか考える