翻訳ビジネス書専門書評家の読書感想文

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躊躇しているあなたを優しく蹴りあげてくれる一冊「型を破る人の時代」

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今もっとも影響力のあるビジネス書作家といわれているセス・ゴーディン氏。

 

氏の新作は、全ての人にアーティストになることを強く優しく勧める本です。

 

なぜアーティスト(芸術家)なのか?その理由が本書にあります。

 

 

「型を破る人」の時代: “ズバ抜けた結果”を出せる人は、何をしているか (単行本)
 

 

 

1 これからはアーティストが価値を持つ

アーティストは芸術家という意味です。

 

著者は、これからビジネスで活躍するためにはアーティストになる必要があるといいます。

 

アーティストは、自己表現をとおして人を感動させます。

 

現代のビジネスにおいても、自己表現をして、お客さんそして社員を感動させられなければ価値を作り出せなくなっているのです。

 

その理由について監訳者である神田昌典氏はこう分析します。

 

インターネットによって国境という壁が壊されたこと。

 

ビジネスとアートを区別する壁が壊れたことです。

 

個人的には、インターネットなどの発達により、全ての人が自分を表現する手段を手に入れたこと、が現代ビジネスマンがアーティストにならなければいけない理由だと思います。

 

2 社会がアートを評価するようになった

iPadiPhoneを創りだしたスティーブ・ジョブス氏に世界の多くの人が惹かれ、アップル社は大きくビジネスで成功しました。

 

ジョブズ氏の製品に対するこだわりなどからすると、彼はまさないアーティストと呼ぶにふさわしい存在です。

 

このように世界はアーティストを評価するようになっています。

 

社会が有能さを評価するようになったのと同じように、社会がアーティストを評価するようになったのだから、あなたもアーティストになるべきなのです。

 

3 世界をゼロからつくる人になれ

著者は「誤字を訂正してくれる人を見つけるのは簡単だけれども、ゴーサインを出してくれる人を見つけるのはまず不可能だ」といいます。

 

誰かが何かしてくるのを待っていてもその時はきません。

 

また他人から許可を待っていても許可を出してくれる人はいません。

 

自分自身がゼロから世界をつくるアーティストになる必要があります。

 

4 拍手と感謝はプラスαにすぎない

アーティストは自己表現することそのものに価値を求めます。

 

そのため、自己表現の結果に対して第三者からの評価を求めません。

 

アーティストにとって、拍手はおまけにすぎないのです。

 

なにかをすると、すぐに他人からの評価を求めてしまう我々には耳が痛い内容です。

 

 

 

このように本書ではアーティストとして仕事をするために知らなければいけない心構えを教えてくれます。

 

そして読んでいる読者にも、「早くアーティストになれ!!」と叱咤激励します。

 

ときに厳しい言葉もあり読んでいてちょっとつらくなるかもしれません 笑。

 

しかしそこは安心して下さい、ちゃんと優しい言葉も入っています。

 

そこには、アメでもムチでもいいからとにかく読者を行動させたい、という著者の純粋な気持ちが感じ取れます。

 

本書はこれからの時代を生きるすべてのビジネスパーソンに読んでもらいたい一冊です。

 

翻訳ビジネス書って本当におもしろいですね〜

 

オススメ度★5つ満点中

★★★★★

読みやすさ★5つ満点中

★★★★

印象にのこったフレーズ要約

「神話は神について語っているのではなく人間について語っている」

「不特定多数の大衆にいっときの任期を委ねるのはやめたほうがいい」

「機械にできるような仕事はしない」

 「うまくいかないかもしれないからこそやる価値がある」

「好きな仕事をするほどお喜びはない」

「やりたいことをやるのは、誰にも責任を追わせることができない苦しい選択である」

「私達はこれ以上「モノ」を必要としてない、必要なのは人間性である」

「全ての人を満足させることはできない、少数の人にとって重要であればいい」

「何も発信しないことほど安全なことはない」

「誰もがみな孤独で他人を欺いているのではないかと感じている」

「仕事とは無限のゲームで遊ぶこと」

「役に立つからするのではなく、ただしたいからする」

 

 

  実践したい3つのポイント

  1. どうすれば与えられるかを常に考える
  2. 役に立たなくてもしたいことはなにか考える
  3. 批判を恐れていることはなにか考える

 

「型を破る人」の時代: “ズバ抜けた結果”を出せる人は、何をしているか (単行本)