時間の操縦術がわかる!「脳の中の時間旅行」
「時間がない!!」というのは、忙しい現代人にとって共通する悩みです。
その解決のヒントになるのが、「時間」をテーマにした本書です。
様々な研究、事例から、時間とはなんなのか?どうすれば時間をコントロールできるのかを教えてくれます。
1 「感情」が時間を歪ませる
よく交通事故など、生命に身の危険が迫る場面では、時間が遅くなると言われます。
様々な事例や研究の結果それが事実であることがわかっています。
人は恐怖を感じているとき、時間を遅く感じます。
逆に、楽しい休暇を過ごしている時、時間はあっという間に過ぎていきます。
このように、恐怖や楽しい気持ちなどの感情が、時間を遅くしたり早くしたりしているのです。
これは経験的には理解できますが、なぜそうなるのか考えるととても不思議なことです。
2 なぜ大人になると時間が早くすぎるのか
その答えとしてあるのは、10歳の子供の1年は10分の1であるが、50歳の大人にとっての1年は50分の1の時間であるからというものです。
しかし、これでは、50歳の大人が1分という時間を、子供より早く感じることはない、という現象を説明できません。
著者は、子供には目新しい経験が多いのに対し、大人にはそれが少ないということを理由にあげています。
人は目新しいことを経験すると時間を長く感じることが、わかっています。
例えば旅行に行ったとき、後から振り返るとたくさんの経験をして長い間旅行をしていたような気持ちになります。
これと同じで、目新しいことの多い子供には、時間が長く感じるのです。
3 時間を遅くするためには新しい経験をすること
時間を遅くして、時間を有効活用したい、と思ったらどうすればいいでしょうか?
本書の答えのひとつは、新しいことをたくさん経験すること。
そうすることによって、長い時間でたくさんのことを経験したと感じるようになります。
しかし、注意が必要なのは新しい経験をするにはとても労力を使うということです。
それと引き換えにしてでも時間を遅くしたいと本当に思っているのか、自分で再考してみる必要があります。
4 まとめ
本書のテーマである「時間」というのは、なかなかビジネス書で正面から取り上げられるテーマではありません。
それだけに興味深く読める本となっています。
時間についての考察を深めたい人にオススメです。
翻訳ビジネス書って本当におもしろいですね〜
オススメ度★5つ満点中
★★★
読みやすさ★5つ満点中
★
印象にのこったフレーズ要約
「体温が高いほど時間の流れが遅くなる」
「一瞬は2秒から3秒である」
「睡眠と覚醒のサイクルは約24時間である」
「成人の記憶の圧倒的多数は15〜25歳のときに起きたことである」
「多様な経験をしたとき時間を早く感じるが、振り返ると遅く感じる。何の経験もない時間は遅く感じるが、振り返ると早く感じる」
「子供は将来のことを考えるということができない」
「旅行に行った後と前では、行く前の方が幸福度が高い」
「脳は将来のことを考えるのがデフォルトとなっている」
「年齢を重ねることは新しいことをするのではなく、好きなことを選択する権利をもつことである」
実践したい3つのポイント
- 時間がすぎるのが早いと感じた経験を3つピックアップする
- その経験に共通することはなにか知る
- 全ての物事に締め切りを自分で設定する