人生の選択の質を高める秘訣「購買選択の心理学」
人生は選択の連続で、選択の結果が人生です。
しかしいつでもいい選択ができるとは限りません。
本書は人生における選択の質を高めてくれる名著と言えます。
1 選択肢が多ければいい選択ができるわけではない
一見すると、たくさんの選択肢があればあるほど、最適な選択ができるような気がします。
しかし様々な研究の結果、人は選択肢が多くなるほど選択ができなくなったり、不満足な選択をしてしまいがちであることがわかっています。
まずはこの事実を受け止めることから選択の質を高めることが始まります。
2 自分の保有物には不当に高い価値を感じる
人は一度自分の物になったものについては、高い価値を感じるようになります。
たとえば混んでいるショッピングセンターで駐車場の場所を確保した時。
買い物を終えて駐車場を後にするとき、他の車が待っていたりすると駐車場を空けるのがもったいなくかんじませんか?
用事を終えた以上駐車することには価値はないにもかかわらず、惜しく感じてしまうのです。
人のこの特質を理解していないと、手に入れたものを手放すことができないためよけいな不利益を被る可能性があります。
なにかを手放さないと新しいものはてにはいりません。
自分の保有物を過大に評価しないように気をつけたいものです。
3 二段階決定の手法でベストな選択をする
最高のものを手に入れようとするとすべての選択肢を検討しなければならず、膨大な時間とコストがかかります。
そんな選択のジレンマを打破するために有効なのが二段階決定の手法です。
これは、予め選択をするためのルールを決定しておくという方法です。
例えば、新しいコートを買うときに、「AとBの店しかみないで決める」というルールを設定しておくのです。
そうすることで、ベストなコートを探して休日を一日潰して街を歩き回るという無駄をなくすることができます。
4 まとめ
本書を読むと、いかに最高の選択を求めることが愚かなことか分かります。
最高の選択を常に求める人は不幸になりやすく、ほどほどの選択に満足できる人が常に幸せを手に入れることができます。
選択に時間がかかりなかなか決められない人や、選択することに疲労を感じている人にオススメです。
翻訳ビジネス書って本当におもしろいですね〜
オススメ度★5つ満点中
★★★★
読みやすさ★5つ満点中
★★★★★
印象にのこったフレーズ要約
「選択は自主性の基本要件であり、幸福の源泉でもある。」
「数多くの選択肢に消費者がうんざりするのは、判断するために多くの労力を求められるようになるからである」
「効用逓減の法則 財の消費量の増加につれて剤の追加消費から得られる効用は次第に小さくなるとする考え方」
「最高を求める行動は、大きな不満の要因になり、落胆につながる可能性もある」
「どんな選択をしても、それにともなう機会費用は避けられない。」
「数えきれないほどの選択肢があるときには、なにが起こっても自己責任になる」
「選択肢がなければ、何が起こるだろう?落胆かもしれないが、後悔ではない」
「選択肢が数多くある社会のほうが、満足できない結果のために自分を責める傾向が強い」
「感謝するには練習が必要だ」
実践したい3つのポイント
- いままでした選択で後悔している選択を書き出す
- もしその選択において選択肢がなかったらどうなっていたか考える
- 過去選択した結果今得ていることについて毎日感謝すること