翻訳ビジネス書専門書評家の読書感想文

翻訳ビジネス書をこよなく愛する書評家による翻訳ビジネス書専門書評ブログ!

誰もがハマる思考の罠に注意せよ「なぜ、間違えたのか?」

f:id:book-success:20140325052230j:plain

 

 

なぜあのときあんな判断をしてしまったのだろう?

 

人が誤った判断をすることは日常茶飯事ですが、なぜ優秀な脳を持っているにもかかわらず我々は判断を間違えるのでしょうか?

 

本書は人間が間違えてしまう思考の罠を52個紹介してくれている本です。

 

 

なぜ、間違えたのか?

なぜ、間違えたのか?

 

 

1 いったん悪化してから良くなるの罠

病気になり医者にいき薬をだしてもらいます。

 

しかし薬を飲んでも症状は良くならず悪くなり、また医者へいきました。

 

そうすると、医者より「いまは少し悪化していますが、次第によくなります」と言われます。

 

そう言われるとなんとなくそのとおりだと感じてしまいます。

 

このように人は、「いったん悪化してからよくなる」ことを信じる傾向があります。

 

たとえば株取引でも同じです。

 

自分が買った株がすぐに値下がりしても、我々はすぐに値段は上がると考えてしまいます。

 

そうして結局損をしてしまうのです。

 

「いったん悪化してもよくなるかどうかはわからない」。そう考えましょう。

 

 

2 ゼロリスクの罠

 

我々はリスクをゼロにすることに異常に高い価値を感じてしまいます。

 

しかし、リスクをゼロにすることは不可能か、そのために極めて高いコストを払わなければなりません。

 

たとえば交通事故、リスクをゼロにするためには自動車をこの世の中からなくすしかないでしょう。

 

しかしそのことによるリスクが極めて高いことは一見してわかると思います。

 

世の中に安定したもの、リスクがゼロのものは存在しません。

 

リスクゼロを求めすぎて高いコストを支払わないように注意しましょう。

 

3 100回オモテが出ても101回目はウラとは限らない

 

「ギャンブラーの誤謬」と呼ばれる思考の罠があります。

 

それは、私達が「運命をプラスマイナスゼロに調整する力」が存在していると信じてしまう傾向のことを意味しています。

 

コインを投げて裏か表を当てるギャンブルがあったとき、100回連続でオモテがでたら多くの人は次はウラがでる、と感じます。

 

しかし確率論的には、次にウラがでる確率は50%にすぎません。

 

我々は自然と物事がプラスマイナスゼロになると考えてしまうのです。

 

ときとしてそれが誤った判断に繋がる可能性がありますので気をつけましょう。

 

 

4 一部が良ければ全部良いーハロー効果の罠

大好きなアイドルができたとき、人はそのアイドルが完璧な存在だと感じます。

 

顔がかわいいだけでなく、性格も最高だし、話もおもしろい、お洒落で、部屋も綺麗なはず。

 

そう思ってしまいますが、実際ファンがみているのはテレビに映るアイドルの顔だけ、性格や、部屋のなかがきれいかどうかなどわかりません。

 

それにもかかわらず、完璧な存在であると感じてしまうのはハロー効果に他なりません。

 

人は他者の一部に良い部分があることを認めると、それ以外のすべての分野で他者が優れていると感じてしまうのです。

 

アイドルならいいかもしれませんが、これが会社の採用面接だとするとどうでしょう。

 

人事部の担当者が、求職者の一部に良い部分を見つけ完璧な存在だと思って入社させてしまうと、後で大変なことになるかもしれません。

 

自分の判断はハロー効果によるものではないか?考える必要があります。

 

5 まとめ

 

以上、思考の罠のなかでおもしろかったものをあげました。

 

それにしても本書を読むと人はいかに誤った考えを持ってしまう生き物であるかがわかります。

 

自分の判断に間違いはない!と確信している人にこそ読んでもらいたいオススメの一冊です。

 

翻訳ビジネス書って本当におもしろいですね〜

 

オススメ度★5つ満点中

★★★

読みやすさ★5つ満点中

★★★★★

印象にのこったフレーズ要約

「いったん悪化してから良くなる。どうころんでも自分を正しいことになる。」

「わたしたちは確率を直感的に理解する力をあまり持っていない。起こる確率は考えずに事実だけに反応してしまう」

目の前で起こってる出来事が前の出来事の影響受けているかどうか前後につながりがあるかないかじっくりと観察しよう。」

「悪い事は良い事よりも重大である」

「私たちは1つの観察結果を見ただけでそれがいつも当てはまると結論づける傾向がある」

「何かを失う不安はそれと同じ価値のものを手に入れることより大きな刺激を与える」

「社会的手抜きとは人々の働きが直接わかるような場面ではなくグループ作業のように力を合わせる場面で他人に気づかれることなく手を抜く現象を指す」

「グループ行動のデメリット取り除くには個人の業績をできるだけはっきりさせることである」

「人物本位の原則とはある出来事を説明するときに人物に焦点をあてすぎて、状況などを過小評価してしまうことを言う」

「問題なのは専門家は誤った予測をしても代償をはらわなくていいと言う点である

「どうしてキーパーはじっとしていられないのだろうか」

「宝くじの当選者を調査した結果当選者の幸福感は平均して3ヶ月消えてしまうことがわかった」

「幸せは3ヶ月しか続かないまた不幸な気持ちも3ヶ月続けば慣れてしまう」

  実践したい3つのポイント

  1. 専門家の意見を疑うこと
  2. 運がよかったと思える出来事を本当に運のせいか再興する
  3. 幸せや不幸がどのくらいの期間続いたか再認識する

 

 

 

 

 

なぜ、間違えたのか?

なぜ、間違えたのか?