未来予想本のなかでもかなり面白い「10年後の世界」
10年後20年後の日本そして世界はどのようになっているのか?
興味のつきないテーマで、未来予想する本はたくさんあります。
その中でも本書はわかりやすく、そして現実味を感じる一冊です。
10年後の世界 これからのグローバル経済を激変させる12のトレンド
- 作者: ダニエル・アルトマン,桜田直美
- 出版社/メーカー: 角川書店
- 発売日: 2013/05/10
- メディア: 単行本
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1 豊かな国の移民が増え貧しい国の人材が流出する
経済が発展するのに必要な資源は2つしかありません。
それは天然資源と人的資源です。
先進国の多くで人口減少が進んでいます。
そうすると先進国が人的資源を増加させるには人材を増やす、すなわち移民が必要になります。
移民の対象になるのは、現在貧しいとされる国でしょう。
そうすると、貧しい国の人的資源が更に減少し、貧困に拍車がかかる可能性があります。
そうすると世界における貧富の差はますます広がることになるのかもしれません。
では日本ではどうなるでしょうか?
移民を受け入れようという判断を日本がするでしょうか?
こんな風に日本ではどうだろう?と考えながら読むとさらに読書が面白くなります。
2 反資本主義は長続きしないが政治は安定しない
最近、社会主義に傾聴する傾向が世界が見られます。
しかし著者は、そのような傾向は長続きしないと主張します。
なぜなら、社会主義が台頭するのは絶対的な欠乏もしくは相対的な欠乏が必要になるからです。
食べる、住むといった最低限の欲求が満たされない時、人はそれを与えてくれる社会主義に傾聴していくのです。
しかし現代社会においては、多くの国でこの最低限の欲求は満たされています(もちろんそうでない国もあります)。
そう考えると、社会主義ないし反資本主義は長続きしないと考えられるわけです。
3 商品ではなく人間が世界経済ハブの場所を決める
これまでの世界では商業の中心地、商品が集まる場所が経済のハブとして機能してきました。
しかし、これからの世界では、経済を動かす人間がどこにいるか、という視点から経済ハブの場所が決まることになります。
なぜなら、現代においては商品や金融を動かすことはどこからでもできるようになり、商品より人間が経済を動かす原動力となってきたからです。
これが事実であるとすると、私見では東京は経済ハブにはなりえないと思います。
4 まとめ
すこしわかりにくい書評になってしまったかもしれません。
未来予想について著者は様々な角度から分析しており、読んでいくとその視点に納得させられます。
世界経済に興味がある人、少し先の未来予測に興味がある人は必見です。
翻訳ビジネス書って本当におもしろいですね〜
オススメ度★5つ満点中
★★★★
読みやすさ★5つ満点中
★★
印象にのこったフレーズ要約
気候が国家の運命を決める大きな要素であると指摘した。世界の貧しい国のほとんどは、北回帰線と南回帰線の間にある暑い地域に集中している。
実践したい3つのポイント
- 10年後の日本経済について考える
- これから発展する国はどこか考える
- これから衰退する国はどこか考える
10年後の世界 これからのグローバル経済を激変させる12のトレンド
- 作者: ダニエル・アルトマン,桜田直美
- 出版社/メーカー: 角川書店
- 発売日: 2013/05/10
- メディア: 単行本
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