翻訳ビジネス書専門書評家の読書感想文

翻訳ビジネス書をこよなく愛する書評家による翻訳ビジネス書専門書評ブログ!

明日から加工食品はもう食べられない・・?「フードトラップ」

現代は加工食品があふれている時代です。

 

手軽においしくお腹を満たせる加工食品。

 

便利な商品ですが、危険はないのでしょうか、本書は加工食品の裏側に迫る良書です。

 

 

フードトラップ 食品に仕掛けられた至福の罠

フードトラップ 食品に仕掛けられた至福の罠

 

1 糖分・脂肪分・塩分

加工食品をおいしているものはなんでしょうか?

 

その答えは糖分・脂肪分・塩分です。

 

本書を読むと、加工食品会社がいかにこの3つの成分を利用して、美味しいと思わせる加工食品をつくっているのかわかります。

 

食品加工会社は、これらの3つの成分をどのぐらいの分量で配合すれば、人々がおいしいと感じるのか、研究しています。

 

そのために外部の人を雇い、多額の費用をかけて調べているのです。

 

残念ながらそこでは、「消費者の健康」が一番の目標とはされていません。

 

まずはその事実を知っておく必要があります。

 

2 カロリーと栄養は全く別の話である

多くの人にとって、これは常識だと思います。

 

しかし本書を読むかぎり、そのことを知らない人はまだまだたくさんいるでしょう。

 

特に子供は、このような知識がありません。

 

お腹がいっぱいになったとしても体に必要な栄養がとれているとは限りません。

 

糖分・脂肪分・塩分を含む加工食品でお腹がいっぱいになっても栄養が不足している可能性があるのです。

 

3 本当にその加工食品は安いのか考えよう

我々は安い商品に飛びついてしまう傾向があります。

 

加工食品は、自然食品より安い場合がほとんどです。

 

しかし、その加工食品は本当に安いのでしょうか?

 

安い加工食品ばかりを食べて体を壊し、多額の医療費がかかることになれば、その加工食品はむしろ高いといえるでしょう。

 

本書では食品会社の問題点を指摘していますが、その食品会社の商品を買うのは我々消費者です。

 

食品会社は消費者が求めるから商品を製造しているだけなのです。

 

食品会社を責めるのではなく、その商品を購入している我々に問題がないか今一度考える必要があるでしょう。

 

4 まとめ

本書は翻訳ビジネス書らしく、かなりボリュームがある本です。

 

しかし丁寧な取材と根拠に基づいて書かれた作品であり、素晴らしい良書だと思います。

 

知識が行動をかえるとよく言いますが、この本を読めば加工食品に対する日々に行動を変えざるを得なくなるのではないかと思います。

 

子供がいる人にはとくにオススメの一冊です。

 

翻訳ビジネス書って本当におもしろいですね〜

 

オススメ度★5つ満点中

★★★★★

 

読みやすさ★5つ満点中

★★★★

印象にのこったフレーズ要約

 

われわれは安い食品という鎖につながれている

 

体には食べ過ぎを警告して体重をコントロールする仕組みがあるが、脂肪分に関してはそれが働かない

 

糖分は、水に次ぐコーラの最大の成分である

 

 

 

 

  実践したい3つのポイント

  1. 普段食べている加工食品がなにか確認する
  2. それらに含まれる糖分・脂肪分・塩分の量を調べる
  3. 一日に必要とされる糖分・脂肪分・塩分を2の結果と比較する

 

フードトラップ 食品に仕掛けられた至福の罠

フードトラップ 食品に仕掛けられた至福の罠

 

 

 

 

 

 

 

 

CIAとビジネスの共通点「CIA諜報員が駆使するテクニクはビジネスに応用できる」

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多くの人にとってCIAというのは映画などのイメージでしか知らない世界でしょう。

 

本書はCIAの元諜報員がそのテクニックをビジネスに応用する形で教えてくれる本です。

 

いったいどんなテクニックがあるのか、思わず興味がそそられます。

 

 

CIA諜報員が駆使するテクニックはビジネスに応用できる

CIA諜報員が駆使するテクニックはビジネスに応用できる

 

 

 

1 同じ世界にいれば話を聞き出すのは容易である

 

CIA諜報員は各国のキーパーソンから情報を得ることが仕事です。

 

その際行うテクニックは、相手に「自分と同じ世界の人間だ」と思わせることだそうです。

 

ビジネス上でも我々はつい同業者に対しては心を許して話をしてしまいがちです。

 

しかし、相手は同業者を装って情報を手に入れようとしているだけかもしれません・・

 

2 欲しい人材像を明確にする

CIAの採用面接では、事前に必要とされる人物像がかなり細かく明確にされているそうです。

 

そのため、求職者は予めその基準を満たしていると主観的に考えているひとしか応募してきません。

 

これはとても効率の良い求人方法でしょう。

 

一般企業でもこれを使えば、人材のミスマッチをなくして良い人材を得ることができます。

 

3 信頼は通貨と同じである

うそや騙しあいの世界というイメージがあるCIA。

 

実際には信頼がとても重要視され、信頼は通貨のように万能の価値をもつものと考えられているようです。

 

CIA諜報員は、その国でスパイを探し重要な情報を手に入れます。

 

スパイになることはとても危険なこと、だからこそ信頼できる相手からの依頼でなければ承諾しません。

 

ビジネスも全く同じ、信頼があれば大抵のビジネスはうまくいきます。

 

4 まとめ

以上、本書はビジネス上のテクニックはもちろん、普段知ることのないCIAの業界を垣間見ることができます。

 

スパイもの映画やドラマなんかが好きな人にはたまらないでしょう。

 

翻訳ビジネス書って本当におもしろいですね〜

 

オススメ度★5つ満点中

★★★

 

読みやすさ★5つ満点中

★★★★

印象にのこったフレーズ要約

過去の行動を見れば、未来が予測できる。

 

敵味方は変わりうるので、競争相手にも誠意と礼節を忘れない

 

最初の会合でめざすのは「二度目の会合」を実現すること 

 

 

 

 

  実践したい3つのポイント

  1. うそをついていた相手に嘘をついてごめんと謝る
  2. 相手の名前をググる
  3. 話の練習をしない

 

CIA諜報員が駆使するテクニックはビジネスに応用できる

CIA諜報員が駆使するテクニックはビジネスに応用できる

 

 

 

 

 

 

 

 

 

余命数ヶ月と宣告されたら何をする?「人生という教室」

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人は必ず死にますが、多くの人はそのことを理解していません。

 

どこか遠くのことだと思いながら、本当はどうでもいいことをしています。

 

しかし死は確実にやってきます、本書はそのことを教えてくれる一冊です。

 

 

人生という教室 プライオリティ・リストが教えてくれたこと

人生という教室 プライオリティ・リストが教えてくれたこと

 

 

1 人間は死を確信したときどう生きるか真剣に考える

本書の主人公は熱血的な高校の教師です。

 

しかしあるとき脳に腫瘍が発覚し、余命数ヶ月と診断されます。

 

しばらくは病魔と戦い教師を続けますが、病気のために続けることができなくなります。

 

そこで彼が残りの人生の過ごし方として選んだのは全米にいる教え子に会いに行くことでした。

 

 

人はだれでもいつか死ぬことは理解しています。

 

しかし、本当に、実感をもって、そのことを理解している人はいません。

 

あと6ヶ月の命です、と神様に言われたとき、今の仕事を続けると言い切れる人はどれだけいるでしょうか?

 

2 本書を通じて死を意識することが大切

 

とはいっても、忙しい日常生活を送っている中で「死」を意識することはなかなかできません。

 

だからこそ本書で、「死が間近に迫っている現実」と疑似体験すべきです。

 

本書の前半は、主人公が闘病中にどのようなことを考えていたのか、そしてどのようなことが起きていたのかリアルに書かれています。

 

死を間近にしながら、愛する妻と離婚してしまうという、現実もかかれています。

 

現実はドラマのように感動的ではないということもわかります。

 

だからこそリアルで、本当に自分の身に置き換えて考えることができます。

 

3 絶望したら自分が影響を与えた人のことを考える

 

本書の主人公が元生徒にあいにいくと、主人公のおかげで人生が変わった、という生徒がたくさんいました。

 

こんな風に自分が生きてきたことが他人に何か影響を与えていた、ということを知ることができるのはとても価値あることです。

 

それだけで生きてきたかいがあったといえるのではないでしょうか。

 

辛く苦しいことが起きた時、自分が影響を与えた人間のことを考えるは、いいことかもしれません。

 

4 まとめ

 

本書は一般的なビジネス書とはちょっと毛色が違うかもしれません。

 

しかし、人生において本当に大切なことを教えてくれる一冊です。

 

全てのビジネスマンにおすすめです。

 

翻訳ビジネス書って本当におもしろいですね〜

 

オススメ度★5つ満点中

★★★★

 

読みやすさ★5つ満点中

★★★★

印象にのこったフレーズ要約

人生の最も優れた使い方は、それよりも長く残るもののために費やすことである

 

 

 

 

 

  実践したい3つのポイント

  1. 余命6ヶ月と言われた時にしたいことを書き出す
  2. 1のなかで今すぐにもしたいことを書き出す
  3. 自分が過去に影響を与えた人をリストアップして連絡する

 

人生という教室 プライオリティ・リストが教えてくれたこと

人生という教室 プライオリティ・リストが教えてくれたこと

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

影響力の武器の実例満載!!「影響力の武器実践編」

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「影響力の武器」は翻訳ビジネス書好きの人ならほとんどの人が知っている名著です。

 

本書はそんな「影響力の武器」の実践編。

 

これでもかというほど多くの実例から、影響力の武器のエッセンスに触れることができます。

 

 

影響力の武器 実践編―「イエス!」を引き出す50の秘訣

影響力の武器 実践編―「イエス!」を引き出す50の秘訣

 

 

 

1 人を動かすには多数派であることを示す

影響力の武器の1つに「社会的証明」があります。

 

社会一般的な状況を示すことにより、同じような行動を相手にとらせることができます。

 

その例として、人に何か行動をとらせようとするとき、行動をとることが多数派であることを示してやる方法があります。

 

たとえば、月例会議の出席者を増やしたい時、欠席者の人数を示すのではなく出席者の人数を示して、欠席することが少数派であると思わせます。

 

CMなどではよく「購入者の◎%が結果に満足しています」などの表現が使われます。

 

これはまさに社会的証明のちからをつかっています。

 

2 無料のおまけをつけるときには価格を示す

「無料特典付き」「おまけつき」などという表示をよく見ます。

 

購買意欲を高める方法としてこのような表示はとても効果があるように思えます。

 

しかし、その無料特典が本当はいくらの価値があるのか?それがわからなければ効果はいまひとつです。

 

無料特典をつけるときには、「5万円相当の無料特典付き」というように、その特典の価値をしめしましょう。

 

3 感謝の見返りはすぐに受け取ること

本書によれは、人が他人にしてもらったことに対する感謝の気持ちの程度は、その出来事があった直後が最も強く、だんだん弱くなるそうです。

 

逆に人にしてあげたことに対する価値評価は、した直後がもっとも低く、その後高くなっていく傾向があります。

 

この事実からすると、他人から何か「してあげた」ことの見返りを受けるには、その直後が一番いいことがわかります。

 

時間が経つに連れ、相手は感謝の気持ちを忘れ、こちらはしてあげたことの成果を高く考えるのです。

 

これは知っておいたほうが良い知識です。

 

4 まとめ

以上見てきたとおり、本書は具体的なケースに当てはめながら影響力の武器をしっかりと理解することができます。

 

「影響力の武器」と一緒に読めば、理解が深まりその技術を身につけるのに役立つでしょう。

 

是非一読をおすすめします。

 

翻訳ビジネス書って本当におもしろいですね〜

 

オススメ度★5つ満点中

★★★

 

読みやすさ★5つ満点中

★★★

印象にのこったフレーズ要約

子どもでも、小さいステップから初めて導いていけば、言うことを聞くようになる

 

 イーベイで最初に売り出された商品は壊れたレーザーポインター

 

あとで見つかりよりは先に自分から触れておくほうが、交渉相手から信頼を勝ち取ることができます

 

ウェイターが注文を客の言葉どおりに繰り返すとチップが増える

 

 

 

 

 

  実践したい3つのポイント

  1. 動かしたい相手を決める
  2. 本書をパラパラめくり適当な頁を見る
  3. そこに書かれている手法を1の相手に試してみる

 

影響力の武器 実践編―「イエス!」を引き出す50の秘訣

影響力の武器 実践編―「イエス!」を引き出す50の秘訣

 

 

 

 

 

 

 

 

解釈は読み手次第の名作が復帰「かもめのジョナサン 完成版」

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かもめのジョナサンといえば読書好きな人なら知らない人はいない名作です。

 

本書は新たな章を付け加えた完成版です。

 

新たに付け加えられた章の内容とはなんでしょうか?再読がてら確認するのに最適な一冊です。

 

かもめのジョナサン完成版

かもめのジョナサン完成版

 

 

1 自分はすでにもうそこに到達しているのだ、ということを知る

かもめであるにもかかわらず、飛行を極めようとしたジョナサン。

 

そのジョナサンが飛行の師から瞬間移動の秘訣を教わったときの言葉です。

 

たんなる物語上のたとえ、と読み取ることもできますが、これぞ目標達成の秘訣を語っているのだと思います。

 

そうなろうとするのではなく、既にそうなっていることを知る、簡単なようで難しいことです。

 

2 われわれの肉体は思考そのものである

これも本書で繰り返し語られる言葉です。

 

思考は現実化する、ではありませんが、同じことを言っているのだと思います。

 

なぜかもめの話にもかかわらず、こんな台詞がでてくるのか?

 

それを考えると作者のメッセージが理解できます。

 

3 行動が9割である

新たに追加されたPart4。

 

その内容を詳しく書くことはネタバレになりますので控えます。

 

私が読んだ感想は「行動が9割である」ということ。

 

なにかを知っているだけや、理解しているだけでは人生は変化しません。

 

行動こそが初めて現実の人生を変えてくれるのです。

 

自戒を込めて本書がそのことを教えてくれているような気がしました。

 

4 まとめ

私は自己啓発書が好きなので、どうしても本書も自己啓発書的に読んでしまいます。

 

しかし本書が古典的名著とされる理由は読む人によって大きく解釈が分かれる本だからでしょう。

 

スピリチュアルとしても読めますし、神話としても読むことができます。

 

全ての人にオススメです。

 

 

オススメ度★5つ満点中

★★★

 

読みやすさ★5つ満点中

★★★★

印象にのこったフレーズ要約

思考の鎖を断つのだ。そうすれば肉体の鎖も断つことになる。

 

まず、自分はすでにもうそこに到達しているのだ、ということを知ることから始めなくてはならない 

 

 

 

 

 

  実践したい3つのポイント

  1. 人の全身は思考である、ということの意味を考える
  2. 目標をすでに達成していたらどうなるか考える
  3. 行動できていないことを書き出す

 

 

かもめのジョナサン完成版

かもめのジョナサン完成版

 

 

 

 

 

 

 

よく聞くあの話が間違っていたなんて!!「本当は間違っている心理学の話」

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人は皆心理学が大好きです。

 

しかし世の中にはもっともらしい心理学の話が出回っています。

 

本書は世間でよくいわれる心理学の嘘を暴く真面目でおもしろい本です。

 

 

本当は間違っている心理学の話: 50の俗説の正体を暴く

本当は間違っている心理学の話: 50の俗説の正体を暴く

 

 

1 相関関係と因果関係は違うことを知る

なぜ間違った心理学の話がつくられるのか?

 

その原因のひとつは相関関係と因果関係を同一視することにあります。

 

相関関係というのは、二つの事象が統計的に同時に起きる場合が多いということです。

 

例えば、雨の日には傘がよく売れるという場合です。

 

そして因果関係は、いわなくともわかると思いますが、ある事象が、別の事象が発生するための原因になっている場合をいいます。

 

両者は似ていますが、同じではありません。

 

例えば、雨に日には傘がよく売れるという事象については、相関関係があっても、雨が降ることは傘がよく売れるための必須の条件ではありません。

 

雨が降っていなくても傘がよく売れる可能性は十分にあるからです。

 

このような決めつけが間違った心理学を広める原因になります。

 

2 ありえない偶然は結構よく起きる

我々は、偶然起きた出来事を奇跡のように評価してしまいがちです。

 

しかし直感的に奇跡だ!と思うことでも統計的にみればかなりの頻度でおきることだったりします。

 

たとえば、35人のクラスの中で誕生日が一致する人がいる可能性はどれくらいでしょうか?

 

本書によれば、その確率は85%以上だそうです。

 

奇跡と思われることも単なる統計上十分起こりうることなのです。

 

3 高齢になっても性欲は減退しない

個人的に面白いと思ったのがこの俗説です。

 

ある調査によると、75〜85歳の男性の4分の3以上、女性の半分以上が、性交渉にいまだに関心があると答えたそうです。

 

さらに64〜74歳の人の半数以上が未だに性的に現役であると答えたそうです。

 

高齢者は「枯れて」おり性的な興味は失われていると考えがちですが、そうでもないようです。

 

明日から高齢者に対する見方が変わってしまいそうです 笑

 

 

4 まとめ

ブログでは、本書の面白い部分がわずかしか紹介できません。

 

心理学の好きな人にはたまらない本だと思いますのでオススメです。

 

欲をいえば翻訳文が固く読みにくいところがあります。

 

翻訳ビジネス書に慣れていない人にはちょっとつらいかもしれません。

 

翻訳ビジネス書って本当におもしろいですね〜

 

オススメ度★5つ満点中

★★★

 

読みやすさ★5つ満点中

印象にのこったフレーズ要約

確証デバイスとは、見たいようにものを見てしまう傾向のことをいいます。

 

興奮発見器ではあっても嘘発見器ではありません。

 

異なる家族の中で育つことは、パーソナリティの類似性に、ほとんどあるいはまったく影響を与えなかった

 

錯誤相関は二つの物事の間に実際は何も関係がなくとも関連があると知覚することです。 

 

 

 

 

 

  実践したい3つのポイント

  1. 相関と因果関係を間違っていることがないか考える
  2. 自分が知っている俗説を3つあげる
  3. 人から、信じている心理学の話を聞き出す

 

本当は間違っている心理学の話: 50の俗説の正体を暴く

本当は間違っている心理学の話: 50の俗説の正体を暴く

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

あなたはどちらの思考を使ってますか?「ファスト&スロー」(上)

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人間には二つの思考があります。

 

それぞれどのような特徴があるのか?

 

ノーベル経済学賞学者による名著がそれらをあきらかにします。

 

 

ファスト&スロー (上)

ファスト&スロー (上)

 

 

1 早い思考と遅い思考

本書は、人間には「早い思考」と「遅い思考」があるといいます。

 

一見するとよくわかりませんが、本書の冒頭でそれら思考の内容が紹介されています。

 

早い思考は、直感や、慣れている物事の判断、などの働きをします。

 

遅い思考は、論理的な考えをする、複雑な問題を解く、などの働きをします。

 

まずは前提として、人の思考には二つパターンがあることを認識しましょう。

 

これだけでも本書を読むことに意義があると思います。

 

なにか物事を判断する時、自分がどちらの思考を使っているか再確認するのです。

 

2 早い思考は間違えやすい?

なにか物事を認識した時、まず動き出すのは早い思考です。

 

早い思考は、頭に負担をかけることなく物事を判断できます。

 

その結果、自分の命を守ったり、多くのメリットをもたらします。

 

たとえば、山で歩いている時茂みからガサガサ音がした時。

 

早い思考は「熊がいるにちがいない!!」と判断し、すぐに逃げます。

 

遅い思考を使って「茂みから音がする、なにか生物がいるかもしれない、人間かな、それとも動物かな?この動きから考えると〜」などとじっくり考えていたら、熊にやられてしまいます。

 

しかしそれは同時に早い思考が、勇み足で間違った考えをする可能性も高いといえます。

 

茂みの物音は、よく聞くと山菜を取りに来た人間であいさつをしたら山菜をくれるかもしれません。

 

このように早い思考は間違いをしやすいということを知っておきましょう。

 

3 早い思考は「見たものがすべて」と考える

早い思考は見たものがすべてである、と考えます。

 

この思考がときに人間に不利な結果をもたらします。

 

例えば、飛行機の墜落事故が起きた時。

 

多くの人は、飛行機はとても危険だといって、しばらく飛行機に乗りたくなくなるでしょう。

 

そのため、飛行機に乗らずに車で目的地までいくかもしれません。

 

しかし実際の統計からすれば、飛行機事故に合う可能性より、交通事故に合う可能性のほうが圧倒的に高いのです。

 

早い思考はそのことを考えることができません。

 

そういった思考ができるのは、遅い思考なのです。

 

ですから早い思考だけで物事を決めるのではなく、遅い思考も使う必要があります。

 

4 まとめ

 

本書はノーベル賞経済学者が書いた上下巻にわたる読み応えのある本です。

 

しかしその内容はわかりやすく、人の意思決定のメカニズムを面白く学ぶことができます。

 

人の意思決定とか心理学に興味がある人にはとてもオススメです。

 

翻訳ビジネス書って本当におもしろいですね〜

 

オススメ度★5つ満点中

★★★

 

読みやすさ★5つ満点中

★★★★

印象にのこったフレーズ要約

小さなリスクへの対応能力が私達に欠けている。

 

アンカーはヒントとして有能だと受け手が感じるから効果を持つわけではない

 

人間は標本サイズに対してしかるべき関心を示さない

 

感情的な要素が絡んでくると、システム2はシステム1の感情を批判するよりも養護に回る傾向が強まる

 

 

 

 

 

 

  実践したい3つのポイント

  1. 自分のいまの思考がどちらの思考かしる
  2. 早い思考で失敗した経験を思い出す
  3. 感情的になったとき遅い思考がどのような働きをしたかしる

 

ファスト&スロー(上) あなたの意思はどのように決まるか? (ハヤカワ・ノンフィクション文庫)

ファスト&スロー(上) あなたの意思はどのように決まるか? (ハヤカワ・ノンフィクション文庫)