レベルの高い雑学本「ヤバい経済学」
経済学の本、というととても難しい内容の本を想定してしまいます。
しかし本書は「経済学」というタイトルにもかかわらず、難しい話はありません。
日常ふと疑問に思うことを、経済学者がデータを分析しその種明かしをした雑学本といったところです。
- 作者: スティーヴン・D・レヴィット/スティーヴン・J・ダブナー,望月衛
- 出版社/メーカー: 東洋経済新報社
- 発売日: 2007/04/27
- メディア: 単行本
- 購入: 34人 クリック: 437回
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1 インセンティブがあればひとはずるをする
本書では、データの分析結果から、そんなことはしないだろう!と思われている人たちが「ずる」をしている事実を解明します。
おもしろかったのは、アメリカで700万人の子供が一瞬で消えた話。
これは税金に係る話なのですが、アメリカでは子供が一人いると税金が軽くなる制度があります。
しかし、架空の子供を実在するとして申告している人がたくさんいると指摘されていました。
そこで、税務署が申告の際子供の名前とともに子供の社会保障番号を書くように制度を変更しました。
すると前年と比べ700万人もの子供が税務申告の際に存在しないことになったそうです。
このことからいくら口ではいいことを言っていても、インセンティブがあればずるをする人はたくさんいることがわかります。
2 親が何をするかは子供の成長に関係がない
著者の分析によると、子供がどのように成長するかは、親が子供のなにをするかはあまり関係がないそうです。
それより重要なのは、親がどんな人間であるかだということです。
子供のために何をしてあげればいいか??と日々悩んでいる親からすると、驚愕の調査結果です。
子供がどんな大人になるかは以下の様な要素が強い影響をもつそうです。
・親の教育水準
・親の社会、経済的地位
・家に本がたくさんある
などなど・・
3 銃よりプールの方が危険は100倍
我々は、コントロール出来ないリスクを高く見積もり、コントロールできる(できそうに思える)リスクを低く見積もる可能性もあります。
著者らのデータによると、アメリカでは子供がプールで溺れ死ぬ確率は、子供が銃をいじって死ぬ確率の100倍だそうです。
私達は身近にあって自分でコントロールできることやものについてはリスクを低く見積もりがちです。
しかしそれは危険な傾向です。
コントロールできるモノごとについてこそ、慎重な態度で望む必要があります。
4 まとめ
以上、本書で取り上げられたテーマを厳選してあげてみました。
これら意外にも「本当!?」と叫びたくなるようなテーマが本書にはてんこ盛りです。
分厚い本ですが、厚さを忘れてしまうぐらい熱中してあっという間に読めてしまう本です。
すべての人にオススメの一冊です。
翻訳ビジネス書って本当におもしろいですね〜
オススメ度★5つ満点中
★★★★
読みやすさ★5つ満点中
★★★★
印象にのこったフレーズ要約
情報は最強の力である。とくに悪いことに使うときは
実践したい3つのポイント
- 作者: スティーヴン・D・レヴィット/スティーヴン・J・ダブナー,望月衛
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